その「上場株式等に係る譲渡損失の繰越控除」は申告して正解か?
この件、最近確定申告の無料相談会に数件出させてもらって実感するのですが・・。
上場株式を特定口座で取引している場合等「年間の株式譲渡損は確定申告すると繰り越せる」こととなっています。
詳しくは下記で。
http://www.nta.go.jp/taxanswer/shotoku/1474.htm
この適用を受けるためには確定申告が必要なのですが、この申告を行っても所得税に負の影響はありません。
株式譲渡損失に関する申告はそもそも「損失を報告する制度」だから。
ところが・・。
後期高齢者医療制度(あえてこう呼びます)を考慮するとまずいことがあるのです。
後期高齢者の医療費自己負担は原則1割ですが「現役並み所得のある者」には3割負担を求めています。
この現役並所得ですが、茂原市のHPの記述を例にお話しすると、高齢者1人世帯で年金収入が350万円の人はどうでしょうか。
公的年金等の雑所得の金額は3,500,000円×75%-375,000円=2,250,000円と計算されます。
この場合住民税の課税所得は145万円以上となりますので基本的には原則、「現役並み所得者」(3割)になります。
茂原近辺の方(でなくても参考になりますが)詳細は下記で確認してください。
http://www.city.mobara.chiba.jp/kokuho/cyojyuiryo.htm
ただし、所得が145万円以上でも「収入自体が(1人世帯の場合だと)383万円未満なら申請により1割負担になります。
ここで問題なのはこの「収入」というのが「損失があっても関係なくてとにかく収入」だということです。
株式の譲渡損が「-200万円」だとしても1200万円の株式を1000万円で売って損をした・・場合、譲渡損の繰越の申告をすると「収入自体は+1000万円とカウントされる」ことに注意してください。
#上の表現は誤解を生むので変えます
株式譲渡損失を3年繰り越した最後の年で繰り越された損失が2万円あったとします。
特定口座で源泉徴収を選択している場合、通常は申告不要ですので、そのまま申告しなくてもOKです。申告しなければ上記の所得や収入の判定上株式関連のものはカウントされません。
ここで、前年以前から繰り越されてきた株式損失2万円を当年の株式譲渡所得と通算したければ、株式に関する収入等を申告しなければなりません。
その結果、特定口座で源泉徴収された金額の一部が繰越損失相当だけ過大だったこととなり、還付が受けられたりすることとなるわけです。
ところが・・・そうです・・ここで株式に関する収入は確実に後期高齢者医療の収入判定に上乗せされてカウントされてしまうのです。
年金所得だけで225万円の人が、株式の譲渡損失の繰越控除の適用を受けようと申告をしたがだめに「医療費が3割負担に」・・ということがありえるのです。
このへん「所得税と社会保険は別個のこと」ですから無料相談会などでは指導の誤り(と言い切るのはどうかと思いますが)が生じる可能性が高いのではないでしょうか・・。


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